草木塔とは

 草木塔とは、現在は世界中に分布している石造文化財です。特徴として、基本的には石材に「草木塔」「草木供養塔」「一仏成道観見法界草木国土悉皆成仏」と刻まれています。建立は江戸時代(1780年ころ)からはじまり建立創成期の草木塔は山形県置賜地域に分布しています。また、「南無阿弥陀仏 草木国土悉皆成仏」「財木供養塔」などの草木塔に類似した供養塔を草木塔研究の視点から「草木塔の類似塔(または単に、「類似塔」)」とすることがあります。

 草木塔の建立創成期の建立理由は、まだはっきりとわかっていないものの、「草木国土悉皆成仏」という経文の全国的な使用傾向から墓石である可能性が判明しています。

 一方で、「草木塔」というイメージから、「草木の霊魂」の存在を認めた上でその霊魂を供養する墓石、石塔と考え、環境保全、SDGsの象徴として、近年は利用される傾向があります。

 特に、環境保全のシンボルと認知された平成以降には草木塔の建立が増加しました。

歴史背景(木流し)

 木流しとは、山林において伐採した木材を山から下ろす際に利用する方法です。水流が豊富な沢がある地域や、降雪地域で利用される。山形県置賜地域では、雪解け水で増水する川の水流を利用して山林から川が流れ込む町場へ流す方法で、その木材を陸に揚げる場所を「木場」と称することがあります。またその様子が春の季語「木流し」としてひろく認知されています。

 木流しは、柱のような木材よりも、短く切断した木材や、枝などの燃料用の「バイタ」と呼ばれる燃料用の薪になるような木材が木流しの対象となりました。そのため、木材燃料を中心とした時代までは盛んに行われていたものの、石油や電力中心の生活になると木材の利用が減少したことから木流しそのものが衰退してゆく事になりました。

 木流しは半筒(ハンドウ、ハントウ)という、水を堰き止める機構(ダムのような)を作る必要があります。この半筒に木材をため込み、増水しきった状態で開放すると下流まで一気に木材が流れるような仕組みになっています。木材が木場に到着すると、木材に刻まれた木印(鉈や斧などで所有者(伐採者)がわかるように木に傷をつけて印とする)ごとに川から木材を引き上げることになるが春先の冷たい川水での仕事の苦労は容易に想像がつきます。

小沢のとめ 川から流れてきた材木をとめる場所です
笠信号
川から一気に流れてくる状態を下流の人に知らせます
写真撮影:鈴木 良氏

 

木流し歌 歌詞 雪解け川の中、作業の大変さが伝わってくる

林業遺産について

 日本森林学会は、森林学と林業に関する研究成果の公表、知識の交換、国内外の関連学会との連携協力等を行うことにより、森林学の進歩と普及を図り、学術の振興と社会の発展に寄与・貢献することを目的としています。

 米沢市は、2019年に米沢市の山との暮らしを伝える遺産群:草木塔群と木流しが登録されました。

認定対象
・建造物 江戸時代の草木塔 17基
・搬出関連 田沢地区・八谷の留め場跡

田沢コミュニティーセンターにある林業遺産登録エンブレム