米沢指定有形民俗文化財(平成九年三月二十八日 指定)
現在地 | 米沢市大字入田沢字口荒沢 |
碑文 | 安永九子天 草木供羪塔 七月十九日 |
大きさ | 高さ112㎝ 幅46㎝ 厚さ22㎝ |
材質 | 安山岩の自然石 |
建立月日 | 安永九年七月十九日(1780年) |
種字 |
本草木塔は、安永9年(1780)の建立で、現在確認されている草木塔では最古のものである。かつては塩地平間々下の旧道沿いにあったとされるが、昭和11年頃に塩地平集落入口の墓地内へと移設された。塩地平は、田沢地区で江戸時代から昭和初期まで盛んであった林業「木流し」の中心地であり、林業に従事する人々が「木流し」を行う際に、この草木塔に安全祈願をしていたという。
碑文は中央に「草木供羪塔」とあり、その左右に建立年月日として「安永九子天」、「7月19日」と刻まれているが、劣化や亀裂が塔頂部に進行し、判読が困難となってきている。建立された事由は判然としないが、安永年間の江戸大火や米沢城下の大火で必要となった木材調達のため、この地の御料林から大量の木々を伐採したことが記録されており、その供養のためという説が有力である。また、本草木塔は、全国へと広がった草木塔の原点の可能性があり、「草木塔発祥の地」田沢の象徴的な意味をもつ。
なお、平成24年度に本塔の老化を防ぐ為、覆屋を設置して保護している。